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東京弁護士会所属弁護士

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自民党議員から謂われなき攻撃を受けていることについての一考察

論考
July 15,2021

 江東区豊洲地域から選出されている江東区議会議員に西垣誠という人物がおります。昨今、この人物が、私とたいした面識もないのに、私の言論に対し、言論を妨害する意図をもってとしか考えざるを得ない行動に出ておりますので、この場を借りて考察したいと思います。

裁判所に「自由民主党 西垣誠」の名刺を提出した彼の謎の行動

 ことの発端の詳細は、いつも私が時事ネタを解説する記事を掲載してもらっているビジネスジャーナル(https://biz-journal.jp/2021/05/post_225159.html)を読んでいただきたいのですが、この西垣誠という自民党議員、私が訴訟代理人を務めている、ある事件の相手方のために、ある時、裁判所に「意見書」なる文書を書証として提出しました。

 さらには、裁判所に自身の「自由民主党 西垣誠」の名刺も提出しました。

 裁判というのは、過去の事実関係(信号が青だったのか、赤だったのか)に法律を当てはめて判決を出す手続きなのですが、「私は自由民主党の西垣誠です!」という裁判所へのアピールが、いったい何の意味があるのでしょうか?

 おそらく、「私は、政権与党の西垣誠という議員なのだが、政権与党の議員が提出した意見書を読んでね」という意図なのでしょう。
 
 これに対し、私はブチ切れました。

 政権与党の議員であることをアピールして、裁判の一方当事者を応援する方法は、司法の「非政治性」、「公平性」に対する挑戦であり、法曹家の一員として、絶対に許せません。

自由民主党宛てに苦言を呈したら西垣誠という議員から懲戒請求されました

 そこで、私は、「西垣誠という議員が自由民主党の名刺を出して裁判所にアピールする」と、一般の人たちは「自由民主党が意見した」と理解してしまうので、自由民主党幹事長宛てに、「裁判所に自由民主党の名刺とともに意見書を提出するようなことをしないようにご指導ください」と文書で連絡しました。

 すると、この西垣誠という議員、「山岸純弁護士が自由民主党に対し、書面で私(西垣誠)を指導するよう求めたことは許せない」といった懲戒請求をしてきました。

 正直、箸にも棒にも掛からぬ懲戒理由なので、大して気にもしないのですが、懲戒請求をされた弁護士は、「答弁書」という反論書面を作成して提出しなければなりませんし、弁護士会から事情聴取に呼ばれれば断ることもできません。

 事案にもよるのですが、少なくとも数時間はこれに対応しなければならないわけで、迷惑なのです。

 先ほど、私は、西垣誠という議員の行動について、「司法への挑戦」と記載しましたが、過去の弁護士懲戒事例からして、弁護士への懲戒理由になり得ない内容を、どこかで知った「懲戒請求」という制度を利用して、しかも、「主張する権利、法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、通常人であれば、そのことを知り、または容易に知り得た(最高裁昭和63年1月26日判決より引用)」ような場合には、私に対する攻撃とも考えます。

今度は「ビジネスジャーナルに記事を掲載したことは名誉棄損・人権侵害である」と騒ぎ立ててきました

 どこかで、私の記事を高覧いただき、憤怒したのでしょう。

 今度は、「全世界に対して広く知らしめる名誉棄損・人権侵害を再度実施した」などと騒ぎ立ててきました。

 立法(法律や条例を作成する作業)に携わる議員さんなんだから、自分が言っていることについて、法律用語の定義、意味を理解した上で文書を作成してほしいところです(公文書、法律用語としては「毀損」です)。

 はたして、ビジネスジャーナルの私の記事の「どこが西垣誠の名誉を毀損する事実を適示した箇所」なのか、「適示された事実を前提に、どこが西垣誠の名誉を毀損する論評」なのかを示さすこともなく、覚えた「名誉棄損」、「人権侵害」などという言葉を使い騒ぎ立てるのは、問題視せざるを得ませんね。

 なお、西垣誠も議員なので、「議員の言動等に対する表現」は、よっぽど、個人や家族の私生活にわたる内容であり、もっぱら読者の興味を面白おかしくかきたてるだけの低レベルな内容で、さらに、真実に反する者ではない限り、「表現の自由」として最大限保障されるのです。

 まぁ、ここら辺、法曹家である私に勝てるわけないでしょう。

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