• instagram
  • 写真館
  • お問い合わせ

東京弁護士会所属弁護士

ニュース

NEWS

PTA入会の問題と個人情報保護法の問題

PTA活動
January 13,2023

 以前もコメントしたことがありますが、PTA入会にあたり「入会届」が必要かどうかという問題があります。

 私は、「PTA規約」の3条か4条あたりに「会員」という条項があり、ここに「当PTAの会員は、〇〇学校に通う児童(生徒)の保護者、教職員とする」と記載されていれば、お子さんが〇〇学校に入学すれば自動的にその保護者はPTA会員となると考えています。

 もっとも、「〇〇学校に入学すると自動的にPTAに加入したことになるのは強制ではないか!」ということにはなりません。

 なぜなら、弁護士と弁護士会のように、「法律上、弁護士は弁護士会に入会しないと弁護士活動ができない。したがって、弁護士会に入会しなければならない」といったような「強制の契機」がはたらかないからです。

 もっとも、退会の方法が知られていなければ「退会する方法が分からないから退会できなかったじゃないか!」と詰め寄られてしまいます。

そこで、「PTA規約」などにしっかりと「退会」の手続きを定め、また、新入生や保護者へのPTA説明会の際などに退会方法を説明することが大切です。

ところで、ここから先、間違いやすい点なのですが、この「PTA入会」の問題と、「個人情報保護法」の問題は、まったく別ものです。

PTA入会にあたり「入会届」は不要としても、これでは誰がPTA会員なのかわかりません。これでは、PTA活動をするにもPTA会員に連絡すらできません。

しかし、だからといってPTAがやみくもに学校から「児童(生徒)名簿」をもらおうとするなら、学校側に個人情報漏えいの問題が起きかねません(学校は「地方自治体」か、「個人情報取扱事業者」か、といった議論は省きます)。

このため、すなわちPTA会員を把握するため(PTA会員名簿を作成するため)に、「入会届」を兼ねた「連絡先届」といったようなモノを提出してもらい、ここに記載された「児童(生徒)名、保護者名、連絡先」などをもって個人情報データベースを作成するという方策が便利となるわけです。

私は、「入会届」は不要、と説明しているわけではなく、PTAへの自動入会という制度を採用することはできるし、他方でPTA会員名簿を作成するために、連絡先などを届け出てもらうための「入会届」も良い方法であると考えるわけです(「PTA名簿」が必要かどうかの話は、また今度)。

(本記事は、新宿区のあるPTAの方からのご意見・ご要望を受けて起案いたしました。ありがとうございます。)

CATEGORY