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東京弁護士会所属弁護士

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公益通報制度がホンキで始まります

予防法務
January 19,2022

Business whistleblower the misconduct inside person to illegally disclose information to public concept, businessman blowing the whistle out load while pointing signal to tell other people.
 令和2年3月、15年ほど前に施行された「公益通報保護法」の大改正がされ、本年6月には施行される予定です。

 さすがに「内部通報」、「公益通報」といった言葉は、今日、“市民権”を得て多くの会社に広がっているのですが、これまでは、単に「通報窓口」を何となく設置しただけであったり、実際に機能していなかったり、外部弁護士にマルナゲー、していたり、ほとんどの会社がマジメに取り組んでいませんでした。

 そこで、改正法は、301人以上を雇用している会社等(常時使用しているパートは含み、役員は含まない)に対し、ガチで「通報制度」の構築義務を課し、行政指導に従わない場合は罰金刑や社名公表という恥ずかしい仕打ちを用意するなど、思い切った改革をしたわけです。
以下、難しくならないように、改正のポイントを書きます。

そもそも「公益通報」って何?

 職場で働いている人などが、その職場で起こっている(起こりそうな)不正行為を、その不正行為を正すため、職場のしかるべき人や行政機関、マスコミなどに報告することです。

 要するに、ドラマや映画なんかで、会社内の不正を暴こうと奮闘する主人公(「空飛ぶタイヤ」、「7つの会議」など)が、信頼する上司に相談したり、マスコミで働く友人などに話を持ち掛けたりする、“アレ”です。

「通報」できる人の範囲が広がった

 これまでは「労働者」、「派遣労働者」だけが法律によって「公益通報」したことから守られてきましたが、今後は、①退職後1年以内に「公益通報」を行った「元労働者」や、取締役などの「役員」も保護の対象となりました。

 なお、役員の場合、会社を経営する責任が課せられているわけですから、まずは自らの責務を持って不正等を調査しこれらを正す努力をしなければなりません。このような努力を行ってもなおダメな場合に限り、監督官庁やマスコミなどへ「公益通報」を行うことができることとされました。

どうやって「保護」されるのか?

 「公益通報」などをしても、会社は解雇、降格、減給、自宅待機命令、昇給の差別、退職の強要、必要性のない雑務を行わせる、退職金の減給などはしてはいけないし、会社がそういうことをしても無効とされるのです。
 
また、派遣労働者に対し、派遣切りなどをしてはいけないとされています。

さらに、「公益通報」などをしても、その「労働者」などに対し損害賠償請求をしてはいけないことになりました。

会社等が義務付けられた「内部公益通報対応体制」とは何か?

 要するに「通報窓口」を設置せよ、ということなのですが、いわゆる大企業と呼ばれる会社のほとんどは設置しています。

 もっとも、今回の改正により、設置するだけではなく、
① 不正や違法行為を通報するための窓口業務を行う担当者・部署の設置
② 通報があった場合に当該通報を調査する担当者・部署の設置
③ 調査結果を受けて、具体的に是正措置を行うまでのスキームの構築
④ 上記手続きを実施するための内部規程の制定
ここまでやらなければなりません。

 さらに、「公益通報」を専属専任で担当させる「公益通報対応業務従事者」を選任しなければなりません。

 これらの義務に違反して、「内部公益通報対応体制」の構築をムシしていると、消費者庁から指導が入り、それでもムシしていると罰金刑や社名公表という恥ずかしい仕打ちを受けます。

「公益通報対応業務従事者」ってどんな人?

 社内外で「公益通報」業務に携わる人なのですが、今回、この職に就いている人は、この職務について守秘義務が課せられ、違反すると30万円以下の罰金が科されます。

 これまで、会社の職務(経理、営業、企画など)をするにあたり、普通、刑罰が科されるようなことはありませんでしたが、今回、会社の職務に違反することで刑罰が科せられるという重い義務が設置されています。

 まぁ、社内で進んで「ボク、やります!」なんて人はいないでしょうから、弁護士などの外部に依頼するのが一番ですね。

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